【姫菜】
「……なんかアンタってずいぶんのんきなのね。三柴」
【三柴】
「ん? そう? これでも色々と焦ってるんだけどなぁ、俺は」
【姫菜】
「全然切羽詰まってるようには見えないわよ」
【三柴】
「はははっ。そうかい? ん〜、滲み出るダンディズムってやつかな?」
【姫菜】
「違う! キモイ!!」
半ば本気で突っ込んだ私の声にゲラゲラ笑う三柴。
……なんでこいつとの会話って、いつもこうわけ分かんなくなっちゃうんだろ……
【三柴】
「まあまあ。姫があんまり可愛くっておじさん放っとけないのよね」
【姫菜】
「……で、結局何の話だったのよ。わざわざこんなところまで連れ出して」
【三柴】
「お〜そうだった。本題がまだだったねえ」
【姫菜】
「本題まで辿り着くのが遅すぎ……」
【三柴】
「あはは。すっかり忘れてたよ。そうそう、聞きたかったのはね。
姫はこれからどうするのかなってことなんだけど?」
【姫菜】
「え……」
突然の三柴の質問。一瞬、答えに詰まる。
……これからどうするのか。それは、私自身も自分に問いかけたい質問だった。
【姫菜】
「私は……別に。これからどうしようかなんて……」
【三柴】
「決めてないんだ?」
【姫菜】
「……決められる訳ないじゃない。こんな状況で……」
【三柴】
「じゃあさ。……俺と一緒に来ない?」
【姫菜】
「……あんたと?」
【三柴】
「そうそう。どうかな?」