ギャラリー
 

CG

【司颯】
 「せぇやぁあああっっっ!」

裂帛の気合もろとも――俺は紅蓮陰刀を横なぎに振るった。

ぞふり

鈍い音がして、『歪』の腹が横一文字に斬り裂かれた。
青黒く変色した内臓が飛び散る。
舗装面に落ちながら、なにか別の生き物のようにヒクヒクと内臓が蠢いている。
目を剥くほどの生命力だ――もっとも、こんなのは本当の生命じゃない。

【司颯】
 「ぅく――――」

腐臭とも屍臭ともつかぬ、凄まじい臭気があたりに撒き散らされた。
鼻が曲がりそうな異臭だ。

が、耐える。
一気に後方へ撥ね跳んだ。

【歪】
 「グジュジュジュジュ……ブハッ…」

『歪』が咳きこむような音を立てる。
腹を斬り裂かれてもなお手すりを放さず、攻撃しようと構えている。

だが、もう――
これで終わりだ。

【司颯】
 「むうッ……」

臍の下――丹田に"気"を送りこむ。
背骨に沿って全身に行き渡らせる。

さらに。

その"気"を両手に。
そして、手の延長である武器、紅蓮陰刀に。

【司颯】
 「紅蓮・遠当ての太刀!!!」

燃えた。
刀身が燃えた。
炎をあげて。
あかあかと炎が燃えあがった。

【司颯】
 「つぇりゃあああああああああああああああああああ
 ああああああああッッッッ!!!!」

紅蓮陰刀を持つ手を返しその一撃を薙ぎ放つ!
刀身に燃え盛る炎が。
赤い紅蓮の火球を作り出す。

そして――――

火球はまっしぐらに、『歪』めがけて飛んでいく!!

【歪】
 「グオォォォオオオオオオオオオオオオオオオオオオ
 オオオオオオオオオッッッ!!?」

それは――恐怖の叫び。
悲鳴、だったのだろうか。
火球は『歪』を包みこんだ。
包みこんで、ひときわ大きく燃えあがった。

【司颯】
 「――今だ!」

俺は神影符を取り出すと、火球に向かって投げ放った。
刹那。
網膜を灼くかのような閃光。

【司颯】
 「………………………………………………………」

やがて、その輝きは唐突に消え失せた。
……あとには。
一塊の消し炭にも似た燃え滓が残っているばかりだった。