ギャラリー
 

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其の壱 其の弐

【綾乃】
 「あ、これですね〜。ふふふ」

華原先輩は、ちょっと照れくさそうに笑った。
薔薇の蕾がほころんだかのように、華やいだ雰囲気があたりに漂う。

【綾乃】
  「氷上先生が、お留守番するなら、ちゃんとこれ着てなさいって
貸してくださったんですの。 ちょっと……恥ずかしいのですけれども」

うっすらと頬を染めている。
その表情が、なんだかひどく初々しくて、とてもひとつ年上とは思えない。

【司颯】
 「あー……いやいや、そんなことないですよ、似合ってる。 うん、ばっちりです」

【綺來】
 「うん。かっこいいですよ先輩っ」

【綾乃】
  「ふふふ、ありがとうございます♪
ところで……氷上先生に何かご用でしょうか〜?」

【司颯】
 「ご用というほどでもないので、また来ます」

しゅたっと左手をあげ、クルリと踵を返そうとしたのだが。
綺來が慌ててベルトをつかむ。

【綺來】
  「あー、だからダメだってばー!
昂月君、こんなに手ぇ腫れてるんだから消毒くらいしなきゃ」

【司颯】
 「大丈夫だって、さっきもいったろ。これくらいすぐ治るさ」

【綺來】
 「むー、死んだら、わたしのせいになるでしょ!」

【司颯】
 「死ぬかっつーの……」

【綾乃】
 「あの……お怪我でもされたのですか?」

俺と綺來のやりとりを見守っていた華原先輩が尋ねてきた。