【皇ヶ崎】
 「…………?」

【ちぐさ】
 「…………???」


しまった……。
今って男性がシャワーを使う時間じゃなかったか?
通常なら、一つしかないシャワースペースを男女で時間を分けて
使っているはずなのだが。
……どうやら時間を勘違いしたのは俺の方らしい。

【ちぐさ】
 「……これは何かの任務ですか?」


間違えてはいってきた俺を全く気にしないで、ちぐさは平然とシャワーを浴びている。
驚くことも無く、恥ずかしがることも無く、ただ淡々と戦場の汚れを落としている。
濡れた髪がきらきら輝いていた。
不覚にも胸が高鳴った。

【皇ヶ崎】
 「あ、いや……その……なんだ……」


何を戸惑っているんだ、俺。

【皇ヶ崎】
 「その……いや……あの……すまん」


俺の存在を全く気にせず、タオルで隠すことも無く、悲鳴をあげたりすることもなく――
ちぐさは全裸のままでシャワーを浴び続けている。

【皇ヶ崎】
 「俺の勘違いだ。悪かった」

【ちぐさ】
 「そうですか」

【皇ヶ崎】
 「本当にすまん……」


俺はしどろもどろになりながらシャワー室を飛び出した。