さやか
「さあ……いっくわよぉ!」

マウンド上のさやかが吼える。

さやか
「てぃっ!」

男子生徒A
「ナイボー!」

快音を響かせてミットにボールが収まる。

男子生徒B
「つーか高城、お前が本気で投げたら打撃も守備も練
習にならねーんだから適度に手を抜け!」

ショートを守る野球部員から注意が飛ぶ。

男子生徒A
「そうそう。受けてて思うけどこんな球俺らが本気出
しても打てるかどうか危しいぞ……」

同じく野球部員であるキャッチャーからも似たような
言葉が。

さやか
「う〜……不完全燃焼なんだけどチームプレイに徹す
るかぁ……」

不満タラタラなのが背中を見ていてよくわかる。

さやか
「いくよー。手加減攻撃」

文字通りバッターを倒す気でいたのかお前は?