【不良A】
「あぁん。姉ちゃん、何の用だよ」

【リリス】
「何の用、じゃないわよ!
 あんた達、さっきこの人を突き飛ばしたでしょ!」

ガラの悪い男達と向かい合っている少女がいた。

流れるような金髪の少女は、周囲の眼を惹きつけるほど、一際目立っている。

少女が指した先には、おばあさんが地面に座り込み、
苦悶の表情を浮かべている。

【不良B】
「んなの、チンタラ歩いているほうが悪いんだろうが。
 俺等のせいじゃねえよ」

【リリス】
「そんな勝手な言い分が通じると思ってるの!!
 これはれっきとした傷害よ!!」

【不良C】
「ショーガイ? 何それ、どこの言葉? ぎゃはは!」

男たちは腹を抱えて笑いだし、
それを見て少女は一層怒りあらわにした。

【リリス】
「ふざけてるの!」

【不良A】
「どこの国の人間か知らねえが、
 ここじゃあそんな正義感は時代遅れだぜ。だっせえんだよ」

鋭い目をした男が、冷たく言い放つ。

【リリス】
「正義感って……
 私がやっていることは、人として当然のことじゃない!!」

【不良A】
「それがだせえって言ってんだよ。
 イマドキ流行らねえよ、そんなのは」

男がそう言うと、残り二人が少女の豊満な胸の辺りをじっと見る。

【不良A】
「それよりも姉ちゃん、いいもん持ってるじゃねえか。
 何なら俺達とちょっと遊ばないか?」

【リリス】
「!!」

男達の視線に気付いたのか、金髪の少女は自らの胸を
覆うように腕を組んだ。

【不良B】
「うっほおっ! 両腕でも隠しきれてねえぜ!」

【不良C】
「すっげえ巨乳だな、オイ!」

下品な声が少女に向けられ、少女は顔を赤くして肩を震わせている。

……そろそろ限界だと思い、介入しようと前に出ようとした。

【リリス】
「……な」

【夏希】
「えっ?」

【リリス】
「薄汚ない声で話し掛けるんじゃないわよ、
 このクサレチ○ポヤローがあ!」

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