「慌てないで。すぐにわかるわ」
その言葉通りだった。スーツが、足のつま先から首の方へ、風理の身体を絞るように締めつけてきた。
「あ、ぐ――くぁ、な、なんだ、あぁあっ!ス、スーツが!?」
「アァッ! し、締めつけられる!? 馬鹿な、くああぁぁあっっ!!」
「ちょっと緩んでたみたいだから。どう?」
スーツは首元までぴっちりと締めつけ終わった。 と、マスクの内側に、スーツの中に溜まっていた汗が流れ込んだ。