「もう一回、したいな…」
未練がましく、金髪少女がギターを弾いていた場所を眺める。 また、路上演奏していないかと。
「……いないか」
「……」
いた!
(いたよ……っ。まさか、なんで……っ?でも今日は、演奏してない……)
壁に寄りかかって、立っているだけだ。 誰かと待ち合わせかと思うと、ふいに少女と目が合った。
「あ! おっさんっ?」