杏子
「まさか、門司君の彼女さんとこんな話することになるなんて思わなかった」
緑
「私も、湊太の浮気相手だって疑った人と、
こんな話するなんて思ってませんでした」
杏子
「本当にありがとう。その気持ちだけで嬉しいし、
今後の御子生活も頑張っていこうって思える」
緑
「みんな強いと思うんですけど、
それでも絶対に大丈夫ってわけじゃないみたいだし」
そう言って、杏子がにっこりと笑う。
その笑顔の裏にある強さを、翠は感じ取っていた。
身も心も強いからこそ、御子と言う存在であり続けられるのだと、
その理解に至ることができていた。