夜が遅くなるのは仕方ないのだが、問題は母親に対する連絡だった。

あまり心配はかけたくないものの、
今、英彦山に行くなどといった連絡をしては、かえって疑念を持たれてしまう。

できるだけ学校が終わった時間に連絡をして
授業をサボったことがバレないようにしなければならなかった。


「ああ、そうだ。山に着いてからの事なんだが……」


「はい」


「基本的には、俺達と一緒に行動してもらうことになる」


「ただ、万が一って事もあるんで、
 アクシデントが発生したら君は湊太と一緒に逃げること」


「自分で勝手な判断をして行動しないこと。これは必ず約束してくれ」


「わかりました」