杏子
「妖神って言うのはね、自然の浄化作用みたいなものなの」


「自然の……浄化作用……」

杏子
「妖神が現れる条件は色々あるんだけど、大前提として土地が穢れていることなの」

杏子
「その土地が穢れていると、それを浄化するために妖神は現れるの」


「湊太も、そんなふうに言ってた気がします」

杏子
「だから、本当は戦うような相手じゃないはずなんだけどね」

杏子
「実際、大昔の文献なんかには、妖神と共存してたって記録も残されてるくらいだし」

杏子
「でも、いつの頃からか、妖神が人間にとっては害のある存在になっちゃって……
 それで、それを鎮める人間が必要になったってわけ」


「害って……人間を殺すってことですか?」

杏子
「殺すのとは、ちょっと違うんだけど……でも、結果的にはそうなっちゃうかな」