企画&シナリオ:伊藤ヒロ

Q,ここに注目してほしいという点はありますか?
いろいろありますが、まずは主人公である新しい“たろ”に。
普通に社会で暮らしてた“たろ”がどのように《お屋敷》の住人になっていくのか。
人間がかとるになるというのは、どういうことなのか。そういった部分に注目してください。
今度の“たろ”も可愛いですしね。

Q,お気に入りのキャラクターやイチオシのキャラクターはいますか?

イチオシというなら奈菜香さまでしょうか。
『あのシーン』の後に皆さんがどんな表情をなさるのか、
想像するだけで楽しくて仕方ありません。
薫子さまも大好きです。
『くつしたおいしい』を超える新技を用意していますので、皆さん楽しみにしていてください。


Q,夢幻廻廊2をあえて一言で例えると、どんな言葉になりますか?
  また、その理由も教えて下さい。
『(悪質な)幸せ探し』。
人間の幸せとは何か、どこにあるのか……これは1の頃から変わらない、
夢幻の根幹的なテーマの一つです。
ただ2では1よりも『悪質な』の部分を少々わかりやすくしてみました
(過激化、と言ってもいいでしょう)。

Q,作業中の秘話、苦労話などを教えて下さい。

伊藤の苦労ではなくディレクターさんたちの苦労ですが……校正や誤字チェックです。
夢幻は1の頃からチェックの難しいゲームでして、
おかしな表現や誤字があっても、それがミスなのかワザとなのかわからない。そのため、
ディレクターさん 「ここの台詞、間違いでは?」
伊藤 「いえ、それはワザとです。後のシーンの伏線になっています」
ディレクターさん 「なるほど。じゃあ、その次の台詞もこのままでいいんですね?」
伊藤 「あ、そっちはミス。修正します」
といった会話を何度も何度も繰り返す羽目になってしまいました(ホントすいません)。
しかし、その甲斐あってミスは全て修正済み……………………と思います。

あと、秘話というか嬉しかった話。
先日出版関係者のパーティーで、
誰もが名前を知ってるような超有名業界人とお会いしたのですが、
「夢幻廻廊? 持ってるよ」という話に。
子供の頃から知ってる先生が自分のゲームをプレイしてらっしゃるというのは
ちょっと感激でした。


Q,最後にユーザーの皆様へ向けて熱いメッセージをお願いします。

夢幻廻廊シリーズは『SM』ではありません。

そもそも、この世に『SM』などというものは実在しません。マゾヒズムとサディズムはワンセットで語られるようなものではないのです。
在るのはただ『純粋なマゾヒズム』と『純粋なサディズム』のみ。この二つは稀に利害が一致することもありますが、基本的には無関係。表裏一体というのは単なる誤解に過ぎません。
世間の人はそれを理解していないから、この間違った語彙を平気で口にしますし、貴方の心の空白を埋めてくれることもないのです。

我々以外は。

夢幻廻廊シリーズは、貴方の『純粋なマゾヒズム』をケアするためのゲームです。
このゲームに登場する四人のお嬢様は、
貴方の心の空白をきっと満たしてくれることでしょう。

たとえ貴方が望んでなくても……。



お忙しい中ありがとうございます!