【百合絵】
「……舐めろ」

【“たろ”】
「なめ、る……?」

【百合絵】
「舐めてくれよ、“たろ”くん。
 キミに流された僕の血を
 全て綺麗に舐め取っておくれ」

【“たろ”】
「わかりました……」

 僕は、顔を百合絵さまの足へと近づけますが――

【百合絵】
「だから、もたもたするんじゃない!」

【“たろ”】
「もがぁっ、んごぉっ!?」

 百合絵さまのおみ足が!
 僕の口に!
 指の先は、喉の中まで!

 百合絵さまず、僕の口へ
 そのおみ足を、突っ込んだのです……!

【“たろ”】
「むごごっ、むがっ……むごふっ……」

 急に、喉に突っこまれて
 僕は呼吸が詰まりそう……。

【百合絵】
「どうした?
 しっかり舐めなよ」

【“たろ”】
「んぐぅぅっ……」

【百合絵】
「ふふ……」

【百合絵】
「ふふふ、おやおや……。
 やすりがけは下手なのに、
 これは、わりといけるじゃないか……」

【百合絵】
「そうそう、そのまま……」

【“たろ”】
「ん゛~~~~ッ!
 ん゛ぁ~~~~ッ!」

【百合絵】
「苦しいかい?
 息、詰まる?」

【“たろ”】
「ん゛ーーーっ!
 あ゛いっ! はい゛っ!
 ぐるじぃです゛っ!」

【百合絵】
「そうかい」

【百合絵】
「その苦しさはね、
 ちゃんと爪やすりができなかったからなんだよ?
 理解できているかい?」

【“たろ”】
「あ゛いっ! はい゛ッ! だずけでぇっ!」

【百合絵】
「爪をなめらかに研げてれば
 足を突っこまれても、喉に爪は当たらない。
 痛くないし、傷もつかない」

【百合絵】
「僕の爪を他人ごとだと思ってたから、
 今、自分が苦しんでるんだ。
 いい勉強になったろ?」

【“たろ”】
「はい゛っ! なりまじだぁっ!
 ごめんなざい! ごえ゛んなざい!」

【百合絵】
「い・い・べ・ん・きょ・う・に・なっ・た・ろ?」

【“たろ”】
「え゛……っ? あ゛…………あ゛っ! はい゛!」

【“たろ”】
「あ゛りがとうございます゛!
 あり゛がとーごじゃいまず!
 おべんきょ、ありゃがとーっ!」

【百合絵】
「あははははっ! よし、いいぞ!」

【百合絵】
「それじゃあ、続けて舐めるんだ」

【“たろ”】
「ふぁい……」

 百合絵さまは、口に突っこんだおみ足を

 ちょっだけ引いてくださいました。

 これで、息ができます……。

 僕は、おみ足を舐め続けました。