由梨の舞

神社の境内にいたのは……。

巫女さんだった。

小柄な若い巫女さんが、軽やかに舞っている。

手拍子にあわせて、ふわり、ふうわりと。
くるり、くうるりと。

白い袖をふり、真紅の裳裾をまいて、優雅に舞う。

拓人 「(へえ……)」

思わず、しばし見とれてしまう。

と、ふいに舞っている少女の顔が目に入った。