零雅 「ふふふ、色っぽい気分になってしまったか? 框君がその気なら、 煙草と同じく、唇ぐらいはくれてやってもいい」
猛毒を知らしめ、逃げ道を促すかの様な、苦く狡猾な誘い口だが、 場慣れしていない者には、ただただ甘い囁きだ。
愚かしく飲み下し、欲に穢されるのなら、 それもまた、彼のもうひとつの在り方だと、僅か悲しげに微笑む。 誘惑になりうると、知ってか知らずか――。
框 「……っ!?」
零雅 「もう、その気なんだろう? 自分は、一向に構わないが……」