框
「痛いよな……ゴメン、ほんとゴメン……!
や、やめとくか……!?」
たまえ
「だめ、やめないで……!
框が、もっとほしいよ……ん、くぅうぅぅ!
ワタシのなかに、あったかいの、嬉しいから……」
誰にも触れられず、密やかに息づいていた秘口が、
痛みを覚えつつも満たされてゆく事に、
嬉しげに身をわななかせ、そして、
――何処か胡乱だった瞳に、意思の色が宿ってゆく。
想いを寄せた者に、身体を開かれる――開いてゆく。
心の内を全身で伝えて――伝えられる。
根源的な欲だけではない行為が、彼女に、生の意味を教えつつあるのか。
框
「だって、すげえ痛いだろ……!?
血だって、出てるし……。
それに、辛いだろ……?」
白い肌から立ち上る、甘い匂いの中に、
嗅ぎ慣れた臭いを感じ、怯んだ顔を見せるが、
たまえはそれを宥める様に、切なく優しげに微笑んだ――。
たまえ
「うん……でもね、うれしい痛いなの……。
痛いは嫌な事なのに、すごく不思議……。
とても、とても、うれしい……。
きっと、框だから……」
そう告げると、自ら深く求めるが如く、框の背に廻す腕に力を込める――。
たまえ
「もっと、框がほしい……。
おねがい、おねがいだよぉ……んく、
ふ、はぁぁ……あ、あ、あぅぅ……っ」